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2016.10.25掲載

第17回指圧国際大会メキシコ大会
浪越指圧メキシコ協会 会長 浅田秀男(48期卒)


指圧国際大会は、1979年の東京で行われた第1回大会に始まり、北米、ヨーロッパ、アジアなどで行われてきた歴史ある国際大会です。今回は平成28年7月30日〜31日、メキシコシティにて開催されました。

大会には、日本をはじめ、メキシコ、カナダ、ホンジュラス、キューバ、ドミニカ、アルゼンチン、スペイン、ベルギー、フィンランドから約200名の参加者があり、ラテンアメリカに密着した国際色豊かな大会となりました。
 

各分野からの専門家の参加が多く、指圧活躍の場の広がりを実感

メキシコでの指圧普及形態は海外の他の国と異なり、2008年に設立した浪越指圧メキシコ協会がメキシコ文部省に働きかけ、「母校で学んだ指圧をメキシコ公式の指圧とする」ことから始まりました。

この結果、メキシコに浸透した母校の指圧はメキシコ人の心を動かし、現在では複数の大学、理学療法団体、代替医療団体、マッサージ学校、公立病院と連携して普及と実践の体制を構築できたことから、大会参加者は、医師、指圧師、マッサージ師、理学療法士など各分野の専門家となりました。
 

大会趣旨は「日本から指圧を正しく発信」

海外では、正しく指圧が知られていないのが現状です。特にラテンアメリカは、陽気な人懐っこい性格な人たちが多いため、外国からのニセモノの指圧が多く流入し、それを信じてしまう人たちが多くいました。ここメキシコも、メキシコの文部省に標準的な指圧のガイドラインを作るまで、怪しい指圧が多くありました。

今回ラテンアメリカをはじめとした他国から参加される方々に、本来の指圧がどういうものかを知っていただくためには、日本からの情報発信が最も重要と考えました。それは、メキシコに渡ってから常に感じている「浪越徳治郎先生により体系化された指圧は、日本では海外とは異なり国家資格を要するため、資格に相応した責任がある。また、日本の指圧市場は成熟しており、確かな技術のみが受け入れられる状況であるため、指圧先進国である日本の技術と情報が海外には必要」ということから、大会趣旨を決めました。

7名の先生方が専門性のあるテーマを講演!

日本指圧専門学校からは浪越雄二先生、黒沢純一先生、石塚洋之先生、日本指圧協会からベテランの稲場哲夫先生、日本の第一線で活躍する卒業生から高木光洋先生(48期)、公平尚行先生(48期)、そして欧米の指圧界を代表してカナダの池永清先生(28期)による、指圧理論、指圧の生理学的解説、スポーツ、治療、美容分野の専門性に富んだそれぞれの講演は、「目から鱗」となり、さらに正しい指圧が伝わった瞬間となりました。
 

指圧師の心が一つになった瞬間

光栄にも、海外で活躍する卒業生の中では過去最短となる普及活動開始から8年で、大会委員長の大役を務めさせていただきました。指圧国際大会は海外では影響力が強く、また正しく指圧を理解してもらう絶好のチャンスであることから、失敗できないプレッシャーがありました。しかし、浪越理事長を始めとする日本指圧専門学校からの多大なる支援を始め、講演を快く引き受けていただけた先生方、先輩後輩からの励まし、また海を渡って応援に来ていただいた宮脇利博先生(22期)、石塚玲子先生(37期)、瀧本光代先生(50期)のみなさんの大会を成功させようという心に支えられ、大会を実現させることができました。

最後に、大会Tシャツにもプリントされたと浪越指圧メキシコ協会のスローガンである「メキシコの指圧は日本の指圧」「メキシコの指圧は基本に忠実」を大切にし、指圧の基礎研究などを踏まえ、さらなるメキシコの指圧が発展するために貢献していきます。

関係された方々に、心から御礼申し上げます。