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2018.7.30

雑誌「セラピストvol.98」(株式会社BABジャパン)掲載
英国・ロンドン在住の第44期卒業 ホガード殿子先生の記事をご紹介

英国・ロンドン在住の第44期卒 ホガード殿子先生のインタビュー記事がアロマテラピー+カウンセリングと自然療法の専門誌「セラピストvol.98」に掲載されました。以下に、その記事内容をご紹介します。

欧米で信頼される日本の伝統療法「指圧」と「日本人セラピスト」の今後の可能性について



英ロンドン在住の指圧師・ホガード殿子氏からのメッセージ

2003年に日本指圧専門学校を卒業後渡英、以来、指圧師として、ロンドンで治療院を経営しながら5つ星ホテルのスパで活動していますが、仕事を通じ、手技療法への評価の高まりを感じています。

これだけ科学テクノロジーが発達しても、施術料が高額にも関わらず、手だけで行う療法を求めるお客様が増えています。

その背景として、PCやスマホの普及による症状の増加やスポーツ人気もありますが、ホリスティックな自然医療や人間の手による癒しを求める人が増えているからということもあると思います。機械や薬では対応しきれない領域だけに、どんなに技術が進んでも、逆に技術が進むほど、ニーズは高まると思います。

私のお客様は大きく分けて、筋骨系のケアを求める人と、ストレスや不眠症など自律神経系の調整を求める人の2通りに分かれますが、指圧は両方に効果があり、特に後者のお客様には絶大な支持を得ています。「期待を超える結果を出し、プラスαを提供する」をモットーに、その方に合わせた施術を行っています。

海外での日本ブランドの信頼性は高く、技術や品質の高さはもちろん、相手の気持ちをくみ取るホスピタリティー精神やお客様の満足を追求するサービス精神は世界でもトップクラスです。

ただ、コミュニケーション能力と、型にはまり過ぎてフレンドリーさに欠けて見える点はさらなる努力が期待される気がします。会話や筋肉の名前をラテン語で覚えるなどは最低限必要ですが、言葉・非言語を含む異文化間コミュニケーション能力も身につけておきたいものです。特に、曖昧な態度は誤解を招きやすいので要注意です。まれにアジア人のセラピストにセクシュアルなサービスを連想する人もおり、そうした場合は毅然とした態度で、事前に確認や承諾を得ることも必要です。

海外で日本独自の療法である指圧を普及できる立場にいることを光栄に思いますが、東洋の神秘性が一人歩きしてしまうリスクもあるので、正しく理解され安心して受けていただけるよう日々努めています。指圧のエビデンス研究を行っている母校では、解剖生理学などみっちり学びましたが、そのおかげでドクターのお客様にも信頼され、その患者さんを紹介されることもあります。

世界は目まぐるしく変化しており、現在、海外での就労ビザの取得は困難になってきています。一方で、国内でインバウンド旅行者の方に接する機会は増えていくと思われます。

多くの読者の方が自らチャンスを掴み、豊かなセラピスト人生を歩んでいかれることを願っています。